Senの中国語英語勉強ブログ

情報系の大学生のSen(@nonpro3)が語学についての勉強をまとめるところ。資格試験の結果、感想やボキャビルのツール、対象などを載せたい。語学関連のバイトの収入も載せる。

中検準1級合格 [2021.1]

2021/1に中検準1級を取りました。やったぜ。

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本人のスペック

  • 中国人(は?) 小学生の途中まで現地に滞在していた
  • 東京都内理系私立大学2年(2020年時点) 中国語は専門でも選択でもない
  • リスニングや読解はできるけど語彙力やライティングに少し不安を抱える傾向
  • 中国語は完全に独学

中国語検定準1級とは

  • 一般財団法人 日本中国語検定協会が主催してる日本語<->中国語の能力検定
  • 1級が異様な難易度であるため、実質的な多くの日本の中国語学習者の最終目標にあたる資格。
  • 1次の筆記ではリスニング、ライティング、リーディングをテストし、これを通過すると2次試験ではスピーキングや通訳的な問題が課され、どちらにも合格することで資格合格となる。
  • 年3回やっている。ちなみに1級は年1回である。

この資格で担保される最低限の語学力としては、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)C1からC2の間(ネイティブよりほんの少しだけ下) だと思います。

中国語検定準1級の特徴

特徴として

  • 過去問は101回ぶんある。公式サイトでは直近10回分があり、それ以外は有料の過去問WEBで登録すると見れる。
  • 公式サイトの過去問でのリスニングは原稿であり、音声ではない。自分でやる場合は中国語の発音がちゃんとしてる人を読んで読んでもらう必要がある。
  • 中国語検定協会が出してる過去問解説集(ここではちゃんとリスニング音声CDがある)などがあってとても詳しい。しかし中国語検定自体マイナー資格なのでHSKに比べて絶対数が少ない。
  • 日本圏内での中国語を使うとアピールする仕事ではドンピシャ。未経験の人の実力の担保になる。
  • HSK6級より簡単とHSK側が称してるがぶっちゃけ比べられないぐらい難しい。

中国語検定準1級のレベル

先程も述べた通り、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR) ではC1からC2の間にあると思います。これは、最低限の合格者実力でもネイティブに少し劣るほどの四技能を保持してると担保してると言えるランクです。(ちなみに1級は余裕でC2を突き抜けると思います) この査定は諸説ありますが、自分の感想としては英検1級より簡単とは思えません。

ちなみに、有名な英検とCEFRの言語運用レベルの比較を行ってみると、概ね中検準1>=英検1級という体感です。準1級とは(哲学)

語彙のレベルはHSK6級の語彙にプラスアルファでなんとかなります(自分の場合)が、それ以外のリーディング、類義語、リスニング、ライティングの要求水準はHSK6級と比べて高くなります。 また、合格点はHSK6級が6割なのに対して、中検準1級はリスニング、筆記、面接ともに75%以上というハードルの高さも特徴です。HSK6級でなあなあで通した部分がある場合、中検準1級でがっつり傷になると考えたほうがいいと思います。

ちなみに1級はこれから難易度マシマシの上ハードルは 85% です。

出題範囲の比較表

HSK6級との出題範囲の比較は以下の通りです。

テストする問題 HSK6級 中検準1級
リスニング(会話文 ショートストーリー) ×
リスニング(長文)
リスニング(書き取り) ×
文法誤り指摘
適切な単語で埋める
中国語の解釈
リーディング
日->中 訳 ×
中->日 訳 ×
400字前後の中国語要約 ×
面接 ×

中国語検定の試験形式

過去問をまず見てみましょう。

一次はリスニングと筆記からなります。

リスニング

次の2つがあります。

長文リスニング

50%の比重を占めるのは4~5分の長文を聴き、それに続く放送された問題と選択肢から正しい答えを選ぶものです。 問題用紙には何もないので傍から見てるとその部分だけ問題用紙がギャグに見えますが、何から何まですべてが放送されるので入試英語とかでよくある事前に読んで話を筋をつかんでおくことができません(というか最初に試験が行われるのでそもそもできない)。放送速度は幸い結構遅く(自分基準)、1秒間に1.5~2字位のペースです。

これを2つ分解きます。 1つで息切れしないようにしましょう。

当日の立ち回り

問題用紙は過去問を見ての通り、ほぼ真っ白でふざけています。聞いてる最中にメモを取らない手はありませんので積極的にとりましょう。見開き1ページでリスニングのすべて(ディクテーションも含む)のメモを取ることになるので、過去問をやってどこに何のメモを書くのかを決めたほうがいいでしょう。 自分はこれの通りにしました。

  • 左の白紙の選択肢ページは基本的にディクテーション用。右のメモが足りなくなったら左に書く。
  • 右の白紙は横に二分割し、2つの長文リスニングの分とする。 あふれた分は左へ。
  • 長文もディクテーションも、話の流れを追うように基本的には出来事や状況を書いて、それらを矢印でつなげていく(というか出来事と矢印を書いてまた次の出来事などへ)。

ちなみに問題用紙は過去問を見ての通り結構ふざけてる(何も書かれてない)のですが、スペースだけは結構余ってるのでメモは結構取れたりします。

ディクテーション

もう1つ50%の比重を占めるのは、長文の中の一部のディクテーションであります。これは入試英語とは違う以下の特徴があります。

  • そもそもどんな文章も、ディクテーション箇所は最初からわからない。 問題用紙は相変わらず真っ白のギャグ。
  • 問題文の長さは長文リスニングの大体三分の二。
  • 放送は4回
  • 1回目は全体をノンストップ
  • 2と3回目はディクテーション箇所の前後にすこしのストップが入り、ディクテーション箇所はゆっくり(1~1.5字/秒)と読む
  • 4回目は全体をノンストップ

中国語は 4 回読みます。最初の 1 回は全文を通して,2 回目と 3 回目は書き取る部分の 5 箇所を区切って,最後にもう 1 回全文を通して読みます。

ちなみに実際読まれる指示はこのようなものでした。初見で遭遇したらめちゃくちゃ焦る。

当日の立ち回り

始めは本当に文章の内容に見当もつかないので、1回目は話の内容と流れを理解することに努めます。 適宜メモをしましょう。

2回目と3回目は書き取り部分に関して、前後で2~3秒止まったり、書き取り部分がゆっくり(1~1.5字/秒)読まれます。字を雑に書かない限り2回目だけで書ききれないと思いますので、まずは文の最初の半分以上は2回目、残ったのは3回目、4回目は確認の気持ちでやりました。 なお、一旦問題用紙に書いて、解答用紙にあとから写す時間はないので雑に解答用紙に書くことは推奨しません。

このように、問題文をしっかりと最低限理解して、文章のどこでも書けるように総合的ライティングとリスニング力ががっつり問われます。 なあなあが通用しない理由です。

筆記

筆記は総合的リーディング、適語を埋める、中国語単語解釈、中->日翻訳、日->中翻訳の5つからなります。

当日の筆記の立ち回りについては、特に書きません。筆記自体は90分前後ですので、時間はあまりがちです。 そもそも、語学の試験なので知ってる or 知らないで簡単に分かれるので、数学などのようにしばらく考えて実験したら解けたということはほぼないからです。普段のボキャビルやリーディング、翻訳の経験がそのまま現れるので自分の力を出し切りましょう。

総合的リーディング

600字前後(101回の場合)の中国語文章を読み、空欄埋め(がほとんど)、文章の内容を問う問題の選択問題です。相変わらずテクニックでは攻略が難しいのでしっかり学習することが求められます。ただ空欄埋めは大問2でも共通するので、セットで対策すると楽です。 しかしこちらの方がより広く前後の文脈を踏まえて解くことが多く、文章のしっかりとした理解が前提です。

問題数は10問すべて4択。

適語を埋める

一文を与えられ、空欄を適語で埋めます。一文なので割とドンピシャでシチュエーションに対応する正確な単語を知らないとなかなかに解けませんし、選択肢も紛らわしい です。

問題数は10問すべて4択。

中国語単語解釈

中国語の一文の一部の単語や慣用句に下線が引かれ、それの意味を中国語選択肢 から選ぶ形式です。例によってとても紛らわしいのでしっかり意味を覚えてないとどんどん落とします。

問題数は8問すべて4択。

中->日翻訳

中国語の文章(101回では600字前後と大問1と同じほど)を読み、その中にある2つのピンインを漢字に直し、2つの下線部を日本語に直します。 例によってしっかり覚えていないと誤訳や欠落につながり減点が来ます。

日->中翻訳

日本語の1段落ぐらいの文章を中国語に直します。例を見たほうが早いと思います。

大学を中退し,安定した職業に就けず,奨学金の返済ができなくなる「中退難民」が相次いでいる。中退すると,学業の機会が閉ざされるだけでなく,就職より厳しくなり,多額の奨学金の返済だけが残る。

(出典 101回中国語検定準1級試験問題)

日本語でも難しい言い回しがちょくちょくあり、そこら辺の解釈も難しいです。

面接

リスニングや筆記からなる一次試験に晴れて通過したら、二次試験の面接が来ます。これは別に記事を書きましたのでぜひ見てください。

まとめ

小手先のテクニックじゃ無理です。しっかりとボキャビルして文章読んで、リスニングして、しゃべってから臨みましょう。

使用した参考書

ボキャビル

語彙はすべての基礎です。そもそも準1級を挑もうとするならば文法はほとんどマスターしているはずですので、あとは大量の語彙を詰めていくだけです。自分は以下の2冊を詰めました。

新HSK六级全真模拟测试题集

こちらはHSK6級の記事でも述べた通り、最後に単語リスト2500語があります。 この単語リストはSHK5級の人がHSK6級に到達するための単語となっていますが、中検準1級に十分流用は可能です。

日本で買うには高い本なので、中国の書店とかでお安く買えたらぜひおすすめしたいです。人民元で79元。

中国語準1級の唯一の単語帳とも思われるもの。買わない手はないです。走りましょう。

リスニング

CCTVとか聞いてました(中国人なので)。他の方のを見たほうがいいと思います。

筆記

中検1級と準1級の筆記のすべてをカバーした、ほぼ唯一の本。ここまでくると挑戦者自体少ないので本を出しても売れずに、書籍の選択肢がほとんどないです。

そんな中で、この本は中検1級~準1級の筆記試験の大問についての演習問題が大量に乗っています。 これを解いて、分からなかったものをすべて理解するだけでボキャビルにもなります。

これらの本をこなせば、筆記はほぼ確実に通ると思います。

最後に

まとめると、小手先のテクニックに頼らず、語彙を増やして、いっぱい文章を読んで、いっぱいリスニングして、いっぱい話しましょう。ごまかしは利きません。使用できる書籍の選択肢自体は少ないものの、この本たちをマスターすればほぼ確実に合格することができると断言します。

語学は持久走ですので、エタらずに毎日少しずつでやったもの勝ちです。ぜひとも中検準1級に合格してください!